三河繊維を知る

2024.11.28

三河木綿ができるまで

1. はじまりの夢
ある晩、小学生のゆいちゃんはふしぎな夢を見ました。
夢の中で、彼女は青い空に浮かぶ美しい雲の上にいま した。雲の上には、東南アジアの民族衣装を身につけた
「崑崙人(こんろんじん)」が立っていました。

2. 崑崙人との出会い

崑崙人(こんろんじん)は優しく微笑んで、 「こんにちは、ゆいちゃん。君に大切なものをプレゼントしよう」

と言いました。そして、ふわりと手のひらに乗せた小さな袋から、 輝く綿の種を取り出しました。

「この種からは、素晴らしい木綿が育つよ。大切に育てて、三河 地方の伝統のハンカチを作ってみてね」と崑崙人が言いました。 ゆいちゃんはワクワクしながら、その種を受け取りました。

3. 綿の種を植える
目が覚めたゆいちゃんは、夢の中でもらった綿の種を手にしていま した。ゆいちゃんは、野菜を育てているおばあちゃんに畑をかりて
綿の種をまきました。 毎日水をやり、太陽の光をたっぷりと浴びさせました。 風がつよい日は小さな苗を風から守ったり、葉っぱを食べてしまう虫を 取り除いたり、一生懸命お世話をしました。
4. 綿の花が咲く
数週間後、小さな芽が出て、葉っぱが広がり、種はすくすくと育ちました。 ある日の朝、ゆいちゃんが水やりに行くと、見たこともない黄色い大きな 花が咲いていました。
ゆいちゃんは大喜び! そして、花が咲き終わると、ふわふわの綿がたくさん実りました。 ゆいちゃんは「町中がふわふわの綿でいっぱいになったらいいな」
と思いました。
5. 綿を収穫し、ハンカチを作る
それから唯ちゃんは、綿を丁寧に摘み取り、種をとり、綿を紡いで 糸にしました。 そして、その糸で「手おりき」を使ってハンカチをつくりました。 1本1本ていねいに織ったハンカチは真っ白で柔らかく
とてもきれいでした。
友達に綿の種を分ける
ゆいちゃんは、自分の育てた綿の種を友達にも分け、自分でハンカチを 織ったことを話しました。 友達もその種を大切に育て、綿の実がなりました。 友達も「手おりき」を使ってハンカチを作り、みんなで海の近くの公園に 集まってお互いのハンカチを見せ合いました。
町中が綿畑に
それから、綿の種がたくさんの人の手にわた、街のみんなが 綿を育てはじめました。 数年後…蒲郡の街が綿畑でいっぱいになり、町の風景がとて も豊かで美しくなりました。
8. 大切な教え
ゆいちゃんは「1人の力はちっぽけだけど、みんなが力を合わせると どんなことでもできるんだな」と気づきました。
ゆいちゃんの夢の中の冒険が、みんなで三河木綿の伝統を未来へ つなげる素晴らしい経験となったのでした。
おしまい

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